『読解の公式』
学校では教えてくれない“読解力をつけるポイント”を解説します。 ここに書かれていることを自分の力にするために、たくさんの問題を解いていくことをオススメします。
長文読解問題にとりかかるには
多くの子ども達がニガテとする長文読解問題を解くには、まず長文の種類を判断します。
- 説明文
- 物語文
- 随筆文
もちろんそれ以外のこともありますが、ほとんどはこの3種類にあてはまります。
説明文は、筆者の結論があり、それを丁寧に説明しています。
物語文は、筆者が頭の中で考えたストーリーです。(事実ではありません。) 多くの場合、主人公がある出来事を通じて成長する、という話です。
随筆文は、筆者がある体験をして、それをきっかけに考えたことをちょっと書いてみた文章です。
筆者の主張が明確な場合は、1の説明文に近くなります。
体験をきっかけにフィクションを作った場合は、2の物語に近くなります。
説明文について
なにより、筆者の主張とその理由を見つけ出すことが大切です。
筆者の主張
主張はきっちり一つあるはずですし、それを問う問題が必ず出ているはずです。
また、この一番大切なことは、通常は文章の一番最後にあります。
時々は一番最初と一番最後にあります。
また、多くの場合、言い方を換えて、繰り返し書かれています。
その理由
たいていは、理由は1つではありません。2つの場合、3つの場合、それ以上のこともあります。 というのは、理由が1つしかないのに結論を出すと説得力に欠けますよね。
理由を述べるときに、“具体例”を出すことがあります。
筆者からすると、わかりやすく説明するために具体例を出すのですが、解答者がこれに惑わされてしまうことが多いのです。
ポイント 大事なのは、具体例ではなく、抽象的に表現されている部分。
まとめ
説明文では、文章の最後か最初に書かれている筆者の主張を見つけ出し、さらにその理由を見つけ出すこと。理由を探すときには、具体例でなく抽象的な表現が大事。
物語文について
どんな主人公が、どのような事件に遭って、どのように成長・変化していったか、を読み取ることが大切です。
つまり、
- 主人公は誰でどんな性格や背景を持つのかをつかむ。
- どんな事件が起こったかをつかむ。
- それを通じて、主人公の性格や背景がどのように変化したのかをつかむ。
登場人物の性格や背景を読み取るには、 “セリフ”や“行動”“情景”からみつけ出します。特に人物の気持ちを情景で表現することに注意してください。
例)天気がどんよりしている→気持ちがどんよりしている
例)北風がピューッと吹きぬけた→心の中を北風が吹きぬけた
多くの場合は、いい方向に変化しますが、そうでない場合もあり得ます。
物語文まとめ
どんな主人公が、どのような事件に遭って、どのように成長・変化していったか、を読み取ることが大切です。
随筆について
随筆はあることを体験(見たり聞いたり読んだり)し、それについてちょっと考えたことを書く、というのが基本です。 ですから、どんな体験を通じて、どう考えたのかを読み取ることが大切です。
より説明文に近いものもありますし、物語に近いものもありますので、実際の問題に対してはこれまでに解説してきた説明文・物語文を参考にしてください。
長文読解の前に一文読解を
出だしの言葉から「。(まる)」までを、文、または一文といいます。 この文章をいくつかまとめたものを段落といいます。 そしてこの段落をいくつか集めたものが長文になるのです。
つまり、長文読解の前に、段落読解、さらにその前に文章読解が必要になります。
文章を読解するには、『述語』と『主語』を見つけ出すことが大切です。(特に日本語では主語が省略されることが多いので、注意が必要です。)
複雑な一文読解
一文読解についての追加です。
シンプルな文章だとあまり問題ありませんが、2つの文がつながった場合だと、どちらが主文か最初のうちはわからないようです。
例)きのうぼくは学校に行った。
主語:ぼくは 述語:行った。
この場合は何の問題もありません。
例)きのうは公園に行く予定だったが、雨がふっていたので一日中部屋の中でゲームをしていた。
この中には、
1、(僕が)行く
2、雨がふっていた
3、(僕は)していた。
という3つの文章があり、どれが中心の文章かで迷うようです。
これがわからずして、長文読解もなにもあったものではありませんね。
接続語
文章と文章をつなげたり、段落と段落をつなげる言葉。もちろん、言葉と言葉もつなげます。 前後の関係で使う接続語が決まります。
逆に言うと、接続語を見れば、次にどのようなことを言うのかが想像できるのです。
順接 だから・それで・したがって・すると・ゆえに
逆説 しかし・だが・けれど・ところが
並立 また・ならびに・および
添加 そして・さらに・そのうえ・それから・しかも
選択 あるいは・または・それとも・もしくは
転換 ところで・さて・それでは
説明
詳説換言 つまり・すなわち・ようするに
例示比喩 たとえば・いわば
理由 なぜなら・というのは
補足 ただし・なお・ちなみに